エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識

消費量が生産量の2倍以上?(偽和について)

エッセンシャルオイル(精油)

エッセンシャルオイル(精油)の世界での流通量や消費量を調べると、非常におかしなことに気がつきます。今からご説明することは一般の方には、びっくりするような話だと思いますが、化粧品やトイレタリー製品の製造業界の一部では暗黙に知られていることと言って良いでしょう。


例えば、名前を聞けば誰でも知っている、あるアメリカの会社が1年間に自社の化粧品やトイレタリー製品の原料として使用する膨大な量のエッセンシャルオイル(精油)を合計してみると、不思議なことに、それだけで全世界で生産されているエッセンシャルオイル(精油)の総量の2倍以上に達してしまいます。


このようなエッセンシャルオイル(精油)の生産量と消費量に関する矛盾は、少し調べると、いろいろなところに見つかります。ラベンダーの主産地であるフランスでは、ラベンダー油の生産量は、1960年代後半から1990年代までの約30年間で、7分の1以下にまで減少しています。一方でこの間の世界のラベンダー油の消費量は100倍以上に急増しています。世界のどこから、これほど大量のラベンダー油が供給されたのか誰も説明することができません。同様に、ヨーロッパのある国の特定のエッセンシャルオイル(精油)の生産量と輸出量の統計を調べると、生産量の数倍の量が輸出されているという矛盾が見つかります。


こうした矛盾は、生産から流通のどこかで間違いなく「偽和」と呼ばれる詐欺的行為が、かなり広範に行われていることを示しています。「偽和」とは耳慣れない言葉ですが、100%天然純粋のエッセンシャルオイル(精油)に、多量の別の安価な精油や、合成物質を「混ぜ物」として加えることで、本来の精油を大幅に増量するという偽装行為です。うまく偽和された精油は、それなりの香りがしますので、見た目や香りで偽物であることを見破るのは困難です。ラベンダーの場合は、ラバンジンという近縁の植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)を加えると、それなりの香りを保ちながら、大幅な増量が可能です。ローズの場合は、共通の成分を含むゼラニウムやパルマローザが偽和剤として使われます。さらに酷い場合には、プロピレングリコールやジプロイレングリコールなどの合成化学物質が使われることもあります。こうした「偽者」のエッセンシャルオイル(精油)をアロマテラピーに用いても、正しい効果が期待できないのみならず、実際に心身に悪影響を与える心配すらあります。


そもそも工業用原料としてエッセンシャルオイル(精油)を調達する側も、安くて、それなりに香っていれば良いので、本当に100%純粋、天然の精油であるか、疑わしいと思っていても、確認しようとしないというケースも珍しくありません。より簡単に収益を上げたいという生産者側の事情だけでなく、消費する側の事情も「偽和」が横行する背景にあります。真摯にアロマテラピー用のエッセンシャルオイル(精油)を販売している会社は、通常この事実を認識していますので、世界中の蒸留業者より精油を調達する場合、それが本物であるか、業者自体が信頼できるかどうか、品質検査を含む様々な方法で確認してから製品化します。ところが、近年アロマテラピー用精油の需要の高まりから、この業界に参入してくる業者の中には、こうした確認を全く行っていなかったり、そもそも偽和の横行に対する認識を持っていない所も少なくありません。それが本当に100%天然純粋のものであるかどうか気にとめなければ、エッセンシャルオイル(精油)を安いコストで調達してくることはそれほど難しいことではありません。



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