エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識

精油の光毒性について

エッセンシャルオイル(精油)

光毒性のあるエッセンシャルオイル(精油)

精油の中には、肌についた状態で紫外線に当たると、皮膚にダメージを与える「光毒性」という作用を持つものがあります。当店で販売している精油の中で、光毒性を持つのは、ベルガモットアンジェリカ・ルートレモングレープフルーツの4種です。これ以外のものには光毒性はないか、あっても実際には全く無視して良いレベルのものです。

光毒性があると誤解されることのあるエッセンシャルオイル(精油)

一般に、「柑橘系の精油には光毒性がある」という表現がされますが、実際は、オレンジ・スイートマンダリンには光毒性はありません。オレンジ・スイートに光毒性があると書かれているアロマテラピーの入門書も結構たくさんありますが、これは正確な情報ではありません。但し、オレンジ・ビターの精油には強い光毒性があります。オレンジ・ビターは毒性が強くアロマテラピーでの使用に適さないため、通常は一般向けには販売されていませんが、近年アロマテラピーの普及に伴って、あまり知識のない業者がオレンジ・ビターをインターネットなどで一般向けに販売しているのを見かけることがありますので注意が必要です。ライムも柑橘系の精油ですが、当店で販売しているライムは水蒸気蒸留法で抽出したものであるため、光毒性はありません。(圧搾法で抽出したライムにはかなり強い光毒性があります)


レモングラスシトロネラリツェアクベバ(メイチャン)メリッサメリッサブレンドは、レモン様の香りがするため香りは「柑橘系」に分類されますが、柑橘系の植物から抽出される精油ではありませんので、光毒性はありません。レモングラスシトロネラはイネ科、リツェアクベバ(メイチャン)はクスノキ科、メリッサはシソ科の植物です。


ベルガモットはアロマテラピーで一般に使用される精油の中では、最も強い光毒性を持つもののひとつですが、同時に、フェイシャルマッサージなどで肌に用いられることも多いものです。このため、日中でも安全に使えるように、ベルガモットから光毒性のあるフロクマリンという成分を取除いた、ベルガモットFCF(フロクマリンフリー)という精油があります。ベルガモットFCFには光毒性がないため、日中でも肌に使用してベルガモットの効果を得たい場合はベルガモットFCFを使えば安全です。

光毒性によって何が起こるか?

上記4種のような光毒性のある精油を実際に肌につけて光にあたった場合、どの程度の危険があるのでしょうか?原液もしくは濃度の高いものを肌につけて、紫外線にあたった場合には、精油の中に含まれるフロクマリン類という成分が紫外線のエネルギーを蓄積します。その後、一度にそのエネルギーを皮膚内に放出するため、光毒性効果が生じて短期間で強いタンニング、すなわち日焼けを起こします。強い日焼けというのは火傷と同じですので、その度合いによっては、皮膚にシミとして残ってしまったり、皮膚の組織を損傷したりしてしまいます。


1970年代ごろには、精油の光毒性が現在のように認識されていなかったため、ベルガモット油を高濃度に配合した化粧品類が販売され、肌にシミが出来てしまうという皮膚障害の事例が立て続けに発生したことがあったようです。現在でも、ベルガモットを配合した化粧品はありますが、ベルガモットFCFを使用しているか、または光毒性を発揮しないレベルの低濃度で配合されているかのいずれかですので、心配する必要はありません。


光毒性は、精油の濃度が高かったり、紫外線が強かったり、あるいはその両方の状況が重なると強く発揮され、場合によってはかなり重い火傷になってしまうことがあります。過去に起こった最もひどい事故例は、ベルガモット油を身体につけたままサンベッドに入ってしまった女性のものです。原液を数滴身体に刷り込んだ後、サンベッドの強い紫外線を浴びた結果、腕と脚にかなり重篤な火傷を追ってしまい、7日間もの入院を強いられたそうです。サンベッドに入った時点で、既にある程度の精油成分が皮膚の奥深くに浸透していたため、火傷が深部に達する重篤なものになったようです。

光毒性と精油の希釈濃度の関係

サンベッドの女性の事例は、ベルガモットという光毒性の強い精油であったことに加えて、精油を原液で使用したこと、サンベッドで日光より遥かに強い紫外線を浴びてしまったこと、という条件が重なりあったため、重篤な事故になってしまいました。


光毒性と精油の希釈濃度の間には、大きな関係があります。国際香料研究協会という団体が、これに関してガイドラインを定めていますが、それによると、光毒性が発揮される各精油の濃度は、以下の通りとなっています。これを見ると、ベルガモットの光毒性が他のものと比べて一段と高いのがわかります。

光毒性を発揮する精油濃度
光毒性を発揮する精油濃度
ベルガモット 0.4%
アンジェリカ・ルート 0.78%
レモン 2.0%
グレープフルーツ 4.0%

通常、精油をキャリアオイルに希釈してマッサージ(トリートメント)に使う場合は、1%以下にするということは、私たちがアロマテラピーを勉強するときに基本として習うことです。これを知っている方が上の表を見ると、1%以下に希釈していればレモンやグレープフルーツは、実際には安全なのでは?と思うかもしれません。表に従うと、1%以下の濃度で光毒性を発揮するのは、ベルガモット、アンジェリカ・ルートの2種のみで、レモンとグレープフルーツは問題ないということになります。化粧品メーカーが化粧品への精油の安全な配合比率を決める場合も、この基準が使われますので、可能性としては、たとえば4%に近い濃度でグレープフルーツの精油が含まれた化粧品が市販されているかもしれないということになります。それでも、やはり一般の方はこの4種を肌に使った後は日光にあたるのは避けるべきです。化粧品の製造においては、非常に厳密に製造工程が管理されますが、ご自宅などで精油を希釈する場合は、計量が不正確であったり、希釈が均一にならなかったりすることが有り得ます。ベルガモットとアンジェジェリカ・ルートを除けば、光毒性はそれほど強いものではないというのは事実ですが、使用後は日光に当たらないようにしなければいけません。



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