アロマのやさしさ スキンローション開発物語

2. 完全無農薬・有機栽培のヘチマ

農地の面積はさほど大きくありません。清流の流れる谷間の土地は、もともと広くはないのですが、逆に人の手が隅々まで行渡る大きさの畑になっています。川に目をやると、川底の石々の形がとてもはっきりと見えて、水の透明度を示していました。この時には、さっきまで車酔いで気分が悪かったことも、すっかり忘れてしまっていました。

ここで実際に栽培を行っている農家の方にお会いし、お話を伺うことができました。引率して下さった農協の営農指導員の方と一緒に、どのようにヘチマを育てているか、とても詳しく、丁寧にご説明をして下さいました。

質の良いヘチマを育てるためには、乾燥期間が一定間隔であったほうが良いそうです。乾燥期には根が水を求めて広く伸び、吸水能力が増します。その後、水を供給することで、今度は大量の水を一気に吸い込んで実や茎に蓄えます。これを何度も繰り返すことでヘチマの生長が促され、清流の水が上質のヘチマ水に少しずつ変わっていきます。

有機栽培のヘチマ

有機栽培のヘチマ

ちょうど日照りが続いて土が乾いていたこともあり、川からポンプで水を汲み上げて撒くところを見せて頂けることになりました。農家の方は私の父より明らかにご年配でしたが、崖のような斜面を軽々と川辺まで下りて、ポンプの操作をされる姿にびっくりさせられました。

水と同様大切なのは、やはり土作りだそうです。ここでは殺虫剤などの農薬や化学肥料は一切使わない完全な有機農法が取られています。肥料には、牛糞と豚糞が主に使われていました。その配合は、経験から割り出したヘチマにとって最適の比率で行っているとのことでした。

畑への散水が終わった後、ヘチマ水の採水方法を見せて頂きました。茎をカットし、ガーゼで汚れを取り除いてから、遮光性の瓶に茎を差し込み、不純物が入らないように口を覆います。しばらくすると、ほんの少しずつヘチマ水が染み出してきます。瓶が一杯になるまでには、半日から丸1日かかるそうです。

紫外線や高温の影響を避けるため、一杯になった瓶はすぐに回収して倉庫に運び、新しい瓶と交換します。この静かな谷間の栽培地では、こうした丹念な作業がひと夏の間続けられます。

農家の方のいろいろなお話を伺いながら、許可を得てその場でヘチマを割って少し食べてみました。完全無農薬の有機栽培ですので、安心して食べることができます。清流の水を蓄えたヘチマの実は、とても素朴で新鮮な味がしました。(正直「美味しい」味ではありませんでしたが・・・。)

視察の間中、疑問に思ったことを色々と質問してみました。質の良いヘチマを作るために、どのようなことに気を配っておられるのか、どんなご苦労がおありか、採水時、採水後の品質管理はどのように行っておられるのか。失礼にあたるかもしれないこちらの質問にも、嫌な顔1つせず、ひとつひとつ丁寧にお答え下さいました。

木曽山脈を源流とする清流の流れる素晴らしい環境の中、有機農法で丹念に育てられたヘチマと、農家の方々の素朴で真摯なお人柄に触れ、自信をもってこのヘチマ水を新たに開発する化粧水の原料に採用することを決めました。

都会から遠く離れたこの山村も、やはり過疎化が大きな問題になっているようです。近くの小学校が廃校になったのはかなり前のことだそうです。栽培農家の方々からはこの化粧水に寄せる強い期待を感じました。

この環境の素晴らしさと、そこから生まれるヘチマ水の品質の確かさを最大限生かせる化粧水を作っていこうと、気持ちを新たにしながら栽培地を後にしました。

有機栽培のヘチマ

有機栽培のヘチマ

この視察は、商品の販売を開始する1年半前の話です。ここから、防腐剤フリーにすることを目標にした、長い商品開発が始まりました。

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