アミノ酸シャンプー アロマのやさしさ開発物語

4.硫酸系成分・・・強い脱脂力とタンパク質変性作用

シャンプーの良し悪しを決める最も大事な成分は「洗浄成分」です。洗浄成分は名前の通り、汚れを洗い落とすための成分です。シャンプーに使われる主な洗浄成分は以下のようにいくつかの種類に分類することができます。(シャンプーのボトルには、成分名が配合量の多い順に書かれていますので、一度お手元のシャンプーにどの種類の洗浄成分が含まれているのか確かめてみてください。)

洗浄成分の種類 代表的な成分 特徴 問題点
硫酸系 ラウリル硫酸Na
ラウレス硫酸Na
パレス硫酸Na
(名前に「硫酸」とつく成分)
安価で泡立ちが良い。 強い「脱脂力」「タンパク質変性作用」がある。
スルホン酸系 オレフィン(C14-16)スルホン酸
(名前に「スルホン酸」とつく成分)
安価で泡立ちが良い。
「植物由来」「無添加」を謳ったシャンプーによく配合されている。
洗濯用・住居用洗剤にもよく使われる。
硫酸系に匹敵する強い「脱脂力」「タンパク変性作用」がある。魚毒性が強い。
石鹸系 カリ石けん素地
ラウレス-3酢酸Na
洗浄力が高い。石けんの使用にこだわる人に好まれる。 アルカリ性で髪に対するダメージがある。洗浄力が強く頭皮への刺激が強い。シャンプーの成分としてはデメリットが多い。
アミノ酸系 ココイルグルタミン酸TEA
ココイルアラニンTEA
ラウラミノプロピオン酸Na
刺激性が低く、頭皮に優しい。洗浄成分自体に髪のダメージに浸透して保湿する働きがある。 原価が高い。泡立ち、使用時の爽快感が劣る。

このうち、最もよく使われているのが一番上の「硫酸系成分」です。硫酸系成分は、ラウレス硫酸、パレス硫酸など名前に「硫酸」という字が入りますので、見分けが簡単です。この成分は、主に石油を原料として作られるもので、市販シャンプーの約80%以上に使われていると言われています。「硫酸系」がよく使われる理由は単純です。「泡立ちが良く」て「原価がとても安い」ためです。シャンプーを作る側にとっては、お金をかけずに使用感を良くすることのできる大変便利な成分なのです。

ところが、硫酸系成分には、とても強い「脱脂力」と「タンパク質変性作用」があるという大きな問題点があります。

「脱脂力」の強い成分は、シャンプーの際に頭皮の健康を保つのに欠かせない保湿因子(NMFやセラミド)を強力に溶かして洗い流してしまいます。一度洗い流されたNMFやセラミドは、元の状態に戻るまでに5~6日かかるといわれています。

つまり、硫酸系の洗浄成分で毎日シャンプーした場合、保湿因子のない無防備な状態で頭皮が外界の刺激にさらされ続けることになります。この状態が年単位の長期間続くと、頭皮細胞が健康な状態を保てなくなり、やがて髪ヤセやツヤの低下、そして抜け毛へと繋がっていくことが心配されます。

硫酸系成分の持つもう1つの問題点、「タンパク質変性作用」は、名前の通りタンパク質を破壊する働きのことです。特にすすぎ残って頭皮やお肌にとどまった成分が、この作用を発揮し、頭皮細胞のタンパク質を少しづつ壊していきます。この影響が大きくなると、慢性的な肌荒れやニキビ、抜け毛の原因になると言われています。

また、強いタンパク質変性作用を持つ成分は、皮膚から体内に吸収されやすいものが多いというのも問題点です。頭皮から吸収された成分が体内で発揮するタンパク変性作用の影響を心配する専門家もいます。

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