エッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の基礎知識
アロマを使った虫除けを実践される方が近年増えてきています。こうした使い方は日本でアロマテラピーが本格的に普及し始めた1990年代末にはあまり知られていませんでしたが、有害性の心配される成分が含まれた市販の虫除け剤を使いたくないという方の間で認知が広まってきました。薬局で売っている虫除けスプレーなどには、ディートと呼ばれる薬品が含まれています。ディートは元々、第二次世界大戦直後、蚊に刺されることによるマラリア感染から兵士を守るためにアメリカ軍によって開発されたものです。その後、民生品にも使われるようになり、安価なため世界中で広く普及しましたが、近年その危険性が指摘されています。傷口や唇などに触れた場合体内に取り込まれる上、使いすぎたり、他の薬品と併用すると神経障害などを発症することがあると言われており、カナダなど一部の国では小さな子供への使用を厳しく制限するなどの動きがでてきています。
「初級編 植物にとっての精油の役割」でご説明したように、植物がエッセンシャルオイル(精油)を生体内に作る理由のひとつに、害虫を遠ざけることがあります。自分で体を動かして、害虫を追い払うことのできない植物は、虫に食べられるのを防ぐために、昆虫の嫌がる香り成分を含むエッセンシャルオイル(精油)を体内に作るようになったと考えられています。エッセンシャルオイル(精油)の中には、昆虫が嫌がる香り成分を含むものがあり、こうした香りを身に纏うことで、蚊などの虫を遠ざけることができます。虫が嫌がる香り成分として、最も効果が高いと考えられているのは「シトロネラール」という成分です。虫除けのできるアロマとして最も有名なエッセンシャルオイル(精油)は、シトロネラですが、この他、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)にもこの成分は沢山含まれています。
>>アロマ(エッセンシャルオイル)を使った「虫除けスプレー」の作り方